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「あ……あれは、ほぼ央寺くんが集めたやつでしょ? 私はひとつだけだし」
「うん。それでも、言っといてだって」
「……そっか。じゃあ、どういたしまして、頑張ってください、って返して、あ、あと、体を冷やさないようにお大事にって……」
ブツブツ言っていると、央寺くんが小さく噴き出す。
「何?」
「いや、真面目っていうか……」
央寺くんがクスクス笑うものだから、私はいつものようにまっ赤になってしまう。
「家に遊びに来て、直接言ったら?」
そして、そう言われたことで、今度はピンと背筋を伸ばした。急に動悸が激しくなり、いつとは言われていないのに手に汗がじわりとにじむ。
「あ……だ、大丈夫かな。き、緊張するというか……」
「ハハ、あいかわらずだね、姫野は」
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