chapter 0. オウルとカナリア

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 頭を悩ませ、オウルは冗談を言った。 「じゃあ、実演してみる? それっぽく。イメージは掴めると思うけど。そしたら何書いてあるかわかりやすいかも」 「そうね、いいわよ」 「いいんかい」  オウルは椅子の上でずっこけそうになった。 「どうやってやるの?」 「待てよオイ、貞操緩すぎんだろ。冗談だよ」 「は? 冗談?」 「なんでそんなにやる気満々なわけ? 普通そんなにすんなりノらないだろ」 「知らないことがあるのは気持ち悪いし」 「お前の方が気持ち悪いよ。知的好奇心がホラー過ぎるだろ」  オウルは頭をぽりぽり掻いた。カナリアと話していると、思いっきり調子を狂わされてしまう。 「あとさ、さっきのお前の話だと、試して本当に妊娠したら困るだろ」 「それもそうね」  カナリアは肩をすくめて言った。 「それに、あなたわたしの好みじゃないわ」  オウルは鼻で笑った。 「私もだよ」
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