ただ、ひたすらに

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ただ、ひたすらに

 何で自分はこんな場所に居るのだろうか、と自問自答する。  それを答えるのは簡単で、自分が頼まれたことをきちんと断らずに引き受けてしまったからだ。 「っ、」  きっちり寒さ対策をしているはずなのに、寒く感じてしまうのは、自分が置かれた現状が原因なのだろう。 『クリスマスパーティーをしよう!』  そう提案したのは、四月から転入して来て以来、ずっと一緒にいる友人(本人曰く、親友らしい)。  彼女を取り巻く人々は少し変わっていて、まるで学園ものの乙女ゲームかと言わんばかりの美形揃い(実際そうなのだから、(たち)が悪い)。何だかんだで彼らとも一悶着はあったが、最近になって状況は一変し、見事なまでにハブられている状態だ。  根拠も原因も分かってはいるが、今はまだ手が出せないので、どうすることもできない。 「期待したって、意味ないのにね」  彼らの目には彼女しか写らないかのように、恋は盲目とでもいうべきか、彼女が私を見つければ、一緒にいる彼らから冷たい眼差しを向けられることには、もう慣れた。 「あ、でっかいツリーだ……」     
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