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5月6日月曜日、こどもの日の振替休日。ゴールデンウィーク最終日でもある。17時35分。
京都市内ショッピングモール。
鮫島 由香 (さめじま ゆか)32歳 独身 OLは、買い物を終え駐輪場にいた。
「ええっ」
由香の自転車の前かごに大型書店タカノの袋が入っている。由香はトイレットペーパーとティッシュペーパーを足元に置いてタカノの袋を手に取った。袋の上の真ん中はテープで止めてあるが、傍から中が見えた。ハードカバーの本とチラシも入ってる。買ったばかりなのはすぐに分かった。
「もう誰よ、本忘れたの」
周囲をチラリと見渡して、隣の自転車のカゴに入れちゃおうかな。と良からぬことを思ったが
「あああ、もう」
左手にトイレットペーパー、ティッシュペーパー、そして、大型書店タカノの袋。右手には食料品がたっぷり入ったエコバック。
「最悪だわ、この往復で1キロは痩せないと割に合わないわ」
ブツブツ文句を言いながら、来た道を戻って行った。
ショッピングモール サービスカウンター
「あの、これ落し物というか私の自転車のカゴに入ってたんですが」
微笑みを絶やさない、色白で目がクリンとした受付嬢。
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