偶然の出会い

6/6
前へ
/35ページ
次へ
王子がまだ自分のことを見ているかもしれないと、ほんの少しの自意識が邪魔をして、振り返ることもできなかった。 「はぁあ、せめて、せめて……日焼け止めだけでも塗ってればよかった」 自転車に乗る元気もなく、足取り重く自転車を押しながら、初夏のように強い西日を顔面に浴びて、由香は家路に着いた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加