第8章 初めてのケンカ

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〔佳奈サイド〕 私の下で涙を流す愛おしい人。 先輩の涙を見たのは初めてでかなり動揺した。 「私こそ自分勝手でごめん」 私が謝って先輩を離すとその瞬間涙を隠すかのように先輩は布団を握りしめそんな言葉を発した。 「何で先輩が謝るんですか...?」 二週間前も今もひどいことをしたのは私なのに。 「会いたいってちょっとだけ...思ったから...」 布団を握りしめたまま恥ずかしそうに言葉を発した。 きゅうぅ///// 先輩の言葉に胸が強く締め付けられるのを感じた。 先輩は全くそんな気はないんだろうけどまた誘っているのかと思ってしまう。 それがどうして自分勝手になるのか、私はよく考えて良いように解釈しておいた。 そんなことある訳は無いのだけれど。 それでも世界一好きな人に会いたかったと言われて嬉しくない人なんか存在しないだろう。
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