第9章 手料理とやきもち

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第9章 手料理とやきもち

〔颯那サイド〕 「んー!もう朝かぁ」 私はいつものように自宅で目を覚ます。 「あっ!先輩おはようございます!」 リビングに行くと佳奈がいつにも増して満面の笑みを浮かべて朝食を作っている。 「...おはよう」 二週間前までの光景がそこに帰ってきて何だか妙にほっとした。 「もうすぐできるんで先に着替えちゃって下さい」 「佳奈」 「何ですか??」 「...ありがとね」 この二週間でどれだけ佳奈に甘えていたのか身にしみて分かってしまった。 料理は任せるとは言ったけど私もやっぱり少しは作れるようにならないとなぁと思い直す。 「えっ!?どうしたんですか先輩!?」 私がお礼を言うと分かりやすく慌てた。 「なんかその反応ムカつくわね」 「だってだって先輩が私にありがとうって...!私が勝手にやってることなのに...聞き間違いじゃないですよね!?」 素直になってみただけなのに... 「もう絶対言わない...」
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