第1章 先輩キスして下さい。

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「知りたいですか?先輩」 「えっ?まぁ」 頷いたのを確認すると佳奈の足が1歩を踏み出す。 「ふぅん」 「ちょっと...佳奈?」 佳奈との距離が徐々に狭くなる。 「出来れば先輩には言いたくないんですけど...先輩が1つ私のお願いを聞いてくれたら教えてもいいですよ?」 佳奈はぎりぎりで歩みを止めると上目遣いで声を発した。 「お願い?」 「はい、まぁ今日泊めてもらうお礼だと思えばいいです」 確かに何かお礼をしなくちゃとは思っていたし、ここで返せると言うなら佳奈のお願いとやらを聞いてやった方がいいのかもしれない。 「分かった。佳奈のお願いって?」 答えを聞いてにやっと不敵な笑みを浮かべた後輩に妙な色気を感じた。 不思議な感覚だった。学生時代には全く思ったことのなかった感覚だ。 人懐っこくて女の子らしい可愛い後輩。 そんなイメージをことごとく覆した。
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