第10章 隣に居たいなんて

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「そんな顔してないわよ」 「じゃあ先輩、私のお願い一つ聞いてくれたら教えてあげてもいいですよ?」 佳奈は手を後ろで組むと首を軽く傾げていつものように黒い笑みを見せた。 「またかよ」 全く話が通じないんだけど...。 「これです」 「だから人の話を聞きなさいよ...って何やってっ!?」 佳奈は私の言葉を無視してあろうことか服を脱ぎ始めたのだ。 上の服を全て脱ぎ捨てブラだけになると佳奈の真っ白な肌があらわになる。 「ここ。キスマークつけ直してください」 佳奈は自身の胸、ちょうど以前にキスマークを付けたのと同じ場所を指して言った。 赤黒かったそれはずいぶん薄くよく見ないと分からないほどになっていた。 「っ...そんなもの意味無いわよ」 「意味はありますよ。私ちゃんと帰ってきたじゃないですか」 それがこれのせいだと言うのなら確かに意味はあったのかもしれない。 でもそれは佳奈の願いじゃなくて私のだった筈だ。
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