第10章 隣に居たいなんて

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「はい」 「...そう」 私の問に小さく頷いた佳奈につい目線を逸らして少し乱暴に離す。 「先輩...?」 佳奈は私を真っ直ぐに見つめたまま瞳を輝かせて固まっていた。 「...っ早くご飯作りなさいよ」 「はい!夕食直ぐに作るんで待ってて下さいね♪」 佳奈は胸に付いた痕を見て嬉しそうに微笑むと服を着て上機嫌でキッチンへと向かった。 しばらくすると料理をする音と佳奈の鼻歌が聴こえてくる。 「風呂入ってこよ...」 「はい。いってらっしゃい?」 佳奈の見送りの言葉を聞き流して風呂へと向かった。 湯槽に浸かってさっきのことを思い出していた。 何か、失敗した気がする...。 なんであんなことをしてしまったのだろう。 あれじゃあまるで佳奈が「もっと」って言う事を期待していたみたいじゃない。。 ... なんだか恥ずかしくなって湯槽に顔を埋めてみた。 私は何を期待していたのだろうか? 考え出すとどんどん分からなくなっていく。 何か...疲れる。
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