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「先輩」
あまったるい佳奈の声が耳元で呟かれる。
「っ//どうしたの...?」
部屋の壁に追い詰められた私は更に胸を押し付けられ、頬に両手をそえられる。
足の付け根からドクドクと鼓動が伝わる。
心なしか息もあがっているように見える。
「先輩、キスして下さい」
そして、一拍置くと後輩は声を発した。
「誰に...?」
恐る恐る問いかけると佳奈は不敵な笑みを浮かべた。
「私にですよ?」
決まってるじゃないですかぁという声が聞こえてきそうである。
内向きに女の子らしく巻かれたサラサラのショートヘアが微かに揺れる。
「はっ?なんでよ?」
今この状態にあることが理解出来ないでいた。
「だからお礼ですよ」
佳奈は顔色一つ変えない。
「他のことにしない??ほら!今度ご飯でも奢るから!!」
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