第1章 先輩キスして下さい。

12/20

39人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
「先輩」 あまったるい佳奈の声が耳元で呟かれる。 「っ//どうしたの...?」 部屋の壁に追い詰められた私は更に胸を押し付けられ、頬に両手をそえられる。 足の付け根からドクドクと鼓動が伝わる。 心なしか息もあがっているように見える。 「先輩、キスして下さい」 そして、一拍置くと後輩は声を発した。 「誰に...?」 恐る恐る問いかけると佳奈は不敵な笑みを浮かべた。 「私にですよ?」 決まってるじゃないですかぁという声が聞こえてきそうである。 内向きに女の子らしく巻かれたサラサラのショートヘアが微かに揺れる。 「はっ?なんでよ?」 今この状態にあることが理解出来ないでいた。 「だからお礼ですよ」 佳奈は顔色一つ変えない。 「他のことにしない??ほら!今度ご飯でも奢るから!!」
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加