第10章 隣に居たいなんて

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「だったら私と一緒の会社で働けばいいのに」 うちの部署に人手が足らずに求人を出していたことを思い出してそう答える。 うちの会社は給料もいい方だし。 勿論同じ部署に配属される保証は無いし残業だってまあまああるけど、ただ私と一緒に居たいだけならその方がいいんじゃないかと何気なく思ったのだ。 「先輩...っ良いんですか?」 「それは個人の選択でしょ。私がどうこう言うことじゃないわよ」 とは言っても大学を中退している佳奈がこの時期に就職するのは正直大変だ。 それは佳奈だって充分に分かっている事だと思う。 「...考えておきます」 佳奈は真剣に応えた。 勿論それは佳奈の選択であり本人が決めた事に私が口を出すことではない。 でも、どうして何気なくでもそんな提案をしたのか自分自身の心が分からなかった。 本当に一緒に居たいと思ったのは私の方だったのか...? 考えても分からないことだらけでとてつもなく面倒臭い。
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