第10章 隣に居たいなんて

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「先輩。私のお願い聞いてくれますか?」 次の休日佳奈の第一声はそれだった。 「はぁ...今度は何よ?」 何だかんだ言っても毎回そのお願いを聞いている私はやっぱりどこかおかしいのかもしれない。 「デートして下さい」 佳奈はそんな私に表情を変えずたんたんと言葉を続けた。 「ってデート...?」 「はい」 これまた突然である。 昨日の夜もずっと就職先について悩んでいたようだったのに佳奈の思考が分からない。 「なんでまた...どこか行きたいところでもあるの?」 私は首を傾げる。 「布団もいつまでもお客様用ですし、いろいろと買い物に行こうと思いまして」 そういう事か...。 いきなりデートだとか言うものだから動揺してしまった。 「まぁいいけど」 特に用事も無いしと頷く。 「じゃあ決まりですね」 佳奈はそう言ってキッチンへと戻る。 どうやら朝食は作ってあるようだ。
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