第10章 隣に居たいなんて

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「そういうもん...?」 私は佳奈の回答に更に首を傾げる。 「そうですよぉ?。でも、先輩が意識してくれるのはちょっと嬉しいです」 佳奈はそう言うと私の手を握ってきた。 そんな佳奈の行動にまず周りを確認した私は心底つまらない人間だろう。 今どき女同士の友達だって手を繋いだりするくらいはスキンシップの一貫だ。 街中でだってたまにそういう人達を見かけることがあるが、その人達全員がそういう関係にあるとは到底思えない。 だから別にこれは普通だと言い聞かせる。 「大丈夫ですよ。周りには誰もいませんから」 そんな私を知っていても嫌な顔1つしない佳奈に罪悪感が生まれる。 それどころか「2人っきりですね」と嬉しそうに声をかけてくる。 「はぁ。一緒に住んでるんだから2人っきりなんてものは珍しくないでしょ」 そもそもいつ人がやって来てもおかしくない状況で2人っきり発言はおかしい。
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