第10章 隣に居たいなんて

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「分かったわよ」 騒いでいたせいでやけに注目を集めている。 何でも良いからこの場を離れたかった。 「じゃあ行きましょ先輩♪」 佳奈は満足そうに微笑み私の手を引く。 最初から私の意見を聞く気なんか無かったのではないだろうか。 上手く佳奈に誘導されたようであまり気分が良くない。 「はぁ」 私は溜息をついてそんな佳奈に今日も負けてしまった。 「それで?どこ行くのよ」 「はい。せっかくなので映画なんてどうですか?」 「映画...」 映画はデートの定番でもあるし、大型のショッピングモールに居るのだから自然な流れと言えばそうである。 しかし、光との初デートとかぶっている。 佳奈がそれを知らない筈はない。 だとすると普通は避けるであろう所でわざとそれを選んでいる事になる。 佳奈の案に黒い物を感じずにはいられなかった。
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