第10章 隣に居たいなんて

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ー4時間後 「本当に信じらんない!!」 私は上映が終わり佳奈と2人きりになった映画館で久しぶりに大声をあげていた。 それは今から2時間ほど前に遡る。 私達は軽く昼食をとって映画館へと向かった。 映画は佳奈からのリクエストが特に無かった為、丁度いい時間帯にやっていた人気の青春映画を見る事になった。 そこまでは良かったのだ。 「デートに誘ったのは私ですから」という事で佳奈がお金も出してくれたし。 機会が無ければわざわざ見に行こうとまでは思わない映画だったが見始めてみると想像以上に面白い。 これは佳奈が映画に誘ってくれて得をしたかもしれない。 そう思い始めた頃だった。 強い視線を隣から感じ映画に集中できなくなった。 溜息をつきつつ隣を向くと佳奈が私の事をじーっと見つめている。 「何よ...」 私は周りに迷惑がかからないようにと小声で話しかける。
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