第10章 隣に居たいなんて

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その後、「じゃあ運転お願いします♪」と上機嫌に戻った佳奈を連れて家まで帰った。 終始、隣からの熱っぽい視線と時々思い出したかのようにクスクス笑う声を感じて気味が悪い。 これはこれで溜息が漏れた。 「「ただいまー」」 二人同時に家に着く。 すると佳奈がまたクスクスと笑い出す。 「さっきから何なのよ...」 これは聞いた方が良いのか? と言ううか聞いて欲しいという私への合図みたいな物なのではないだろうか? 「いえ、何でもないですよ」 佳奈はそう言ってまたクスクスと笑い出す。 「あっそう」 どうやらそうではなかったらしいが隠されると気になってくる。 「先輩気になりますか?」 佳奈はいつもの様にいたずらっ子の目をしていた。 「別に?」 少し挑発したような口調で返す。 この雰囲気は危ないというのは経験済みだ。 毎回毎回、釣られるほど馬鹿じゃない。
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