第10章 隣に居たいなんて

31/34

39人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
「大丈夫ですよ?照れる先輩もとっても素敵です」 「だから違うって...」 相変わらず人の話を聞く気はないらしい。 「今度はもっと面白い映画見に行きましょうね!」 佳奈は少し背伸びして赤く染まった私の頬に軽くキスを落とす。 「また映画なのかよ...。と言ううかあんた映画なんて殆ど見てないじゃない」 「他の場所の方が良いですか?」 「そういう問題じゃないわよ」 「だってベタベタな青春映画ですよ?あんなの見て何が面白いんですかねぇ?」 佳奈はそう言って鼻で笑った。 「あんたねぇ。映画に誘ったのはあんたでしょ」 「それはあの男に対抗してみただけですよぉ。先輩を見ている方が百万倍楽しいですし♪」 佳奈は「あの時の先輩、すごい色っぽかったです」と耳元で囁いてクスッと微笑んだ。 そんなに面白い顔をしていないと思うんだけど。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加