第10章 隣に居たいなんて

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「総合的に見て同じ職場と別の職場、どちらが先輩と2人っきりの時間が取れるのかを考えたことろそうなりました」 2人の時間ねぇ...。 「あれ?じゃあ1週間も悩んでたのは何だったのよ?」 てっきり会社に入る為や入ってからの苦労や可能性と私との時間を天秤に掛けて悩んでいるとばかり思っていた。 しかし、そうじゃないとすれば何を悩んでいたのだろうか? 時間を計算するだけに1週間もかかるとは思えないが。 それとも佳奈が私の事で悩んでいるだなんて私の勝手な自惚れだったのかもしれない。 「はい。すっごく迷ったんですよぉ。何と言っても先輩のお誘いですし、仕事中の先輩を見る事が出来るまたと無いチャンスでしたので」 「そんな事で!?」 驚きと呆れでついつい声を上げる。 どうやら1週間考えていたのはこれだったらしい。 それならば、やはり佳奈の答えは最初から決まっていた事になる。 そして佳奈の頭の中には私が考えるような心配は全く無く寧ろ自惚れが足りなかったようだ。
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