第11章 先輩と家族

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第11章 先輩と家族

「颯那...。今週末なんだけどさ、俺の実家で父さんに会ってやってくれないかな?」 佳奈とのデート?らしきものを終えた翌日。 朝一で電話がかかってきたと思ったら光にそんな事を言われた。 「お父さん...?」 「彼女がいるって話したらどうしても会いたいって」 ドクンッ 「そう...なんだ」 昨日の事があったからか罪悪感がつのる。 「ちょっと会って話し相手になってやってくれないかな?」 話し相手...ねぇ。 これは簡単に返事をしてもいいのだろうか? わざわざ実家に来てくれと言われて。 良いよいいよと頷いてしまっても良いのだろうか? それこそ婚約している訳でもない。 たったの25歳。でも、もう25歳。 今まで考えていなかったと言うだけで結婚を考えたっておかしな歳ではない。 「駄目...かな?」 黙りこくっていた私に光が問いかける。 不安そうな光の顔が見えた気がした。
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