第11章 先輩と家族

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「約束...ってあの男とデートですか?」 「デート...って訳じゃないけど...」 「訳じゃないけど何ですか?」 一気にテンションの下がった佳奈に気をつかって答えると強気で聞き返してきた。 「もっ!しつこいわね」 まったくこの子は! 私の気遣いなんてお構い無しだ。 「私に言えないような事なんですか?」 佳奈は更に強い口調になる。 「本当の事を言わないとどうなるか分かってるよね?」という悪魔の囁きが聞こえた気がした。 いや、何で私が浮気を責められてるみたいな感じになってんのよ。 「分かったわよ!光が実家にお父さんに会いに来てほしいって」 「それで?会いに行くんですか?」 声は冷静その物なのに佳奈の眉がピクリと動いた。 「まぁ...」 「っ...そう...ですか」 私の返答にさっきまでの威勢がまったく無くなった佳奈が答えた。
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