第11章 先輩と家族

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私は先輩とずっと一緒にいたい。 周りが結婚しても。おばさんになっても。お婆さんになっても。 人生が終わるその瞬間まで、ずっと一緒にいたい...そう思っていた。 でも、それが一生私を見てくれなかったとしても...? それでも、いつか来るかもしれない別れに怯えながら私は生きていく事が出来るだろうか? このまま無理にしがみついて、先輩からあの男を引き離したとしてきっと先輩は幸せにはなれない。 だからと言ってあの男と結ばれる事が先輩にとっての幸せなのだとしたら今、こうして私と一緒に居ること自体大いに間違えている。 それを乗り越えた先に私の幸せが有るのだとしたら先輩の幸せはいったい何処に有るのだろう? 私が何時だって傍にいるから。 幸せを求めて辿り着いたその場所が私の隣であればいいと切に願っている。 そして、そんな運命は無かったとしても。 いつか、先輩がそれでも良いと、それが良いと思える。 ー幸せよりも大きな物を見つけられる日が来るように私は日々戦っているのだ。 だから私は 「先輩、私のお願い聞いてくれますか?」 そう言ってにこっと笑った。
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