第11章 先輩と家族

11/36

39人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
「兄弟...?私はずっと一人っ子よ」 ドクドクと嫌な音が聞こえ始める。 「っ...そんな嘘つかないで下さいっ」 「嘘なんかついてない」 「じゃあっ..!暑がりの先輩が裸足にならないのはどうしてですか...?プールや海に行きたがらないのは?」 「別にそんなに好きじゃないからで...「嘘です!先輩がいつも上手に断るのを私が知らないとでも思ったんですか?」 嫌だ。 「止めて」 「先輩は過去を無かったことにしたいんですか?」 「そうよ」 「先輩はそれでいいんですか?」 「...」 「過去は無かったことになんて出来ませんよ」 「違っ...」 「私は絶対に先輩を嫌いになったりしませんよ」 「違う!違うの...」 私はいつの間にか大声で叫んでいた。 「先輩...」 佳奈の声は嫌に優しかった。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加