第11章 先輩と家族

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そんな佳奈の後ろに映った私は酷く歪んだおぞましい顔をしていた。 それが酷く不快で何か重りを括りつけられたかのようだった。 スッと冷たい物が通り抜けた。 その刹那に指摘された足先から蛆が全身を蝕んでいく様な感覚に襲われた。 気持ち悪い...。 「先輩!?大丈夫ですか!?」 息が乱れて倒れ込んだ私に佳奈は目を見開いて私を支えようとする。 視界がぼやけて佳奈の声が遠くで反響していた。 「ごめん。今日は仕事休むから一人にしてくれる?」 「でもっ!」 「お願い、一人にして」 私を心配している佳奈の手を精一杯の笑顔で優しく振りほどいた。 佳奈は私の言葉に何も言わずに部屋をあとにした。 佳奈の残像が頭に浮かぶ。 ー残された優しい手の感触が何より苦しくて仕方がなかった。
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