第11章 先輩と家族

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〈佳奈サイド〉 一人になった部屋で考える。 やってしまった。 先輩をまた傷付けてしまった。 あの状態の先輩を一人にしてしまって良かったのだろうか? 私には何も出来なかった。 はぁと溜息をついてドア越しに座り込む。 「佳奈?」 「先輩...?」 ノック音と共に先輩の声がドア越しに聞こえて振り返る。 「やっぱり仕事行こうと思って」 「そう...ですか。すみません、すぐに朝食の用意しますね」 私は立ち上がってドアを開ける。 「先輩...」 先輩の姿を見ると泣き腫らした瞳をしていた。 必死で隠そうと擦ったのが分かる。 「ごめん。時間ないからもう行くわ」 私の顔を見た瞬間に謝罪の言葉を発っした先輩に平生とは違った感覚を覚える。 「分かりました。ちょっと待って下さい」 私はそれだけ言うと何か冷やす物をとキッチンへとかけていく。
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