第11章 先輩と家族

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「颯那!ごめんお待たせ」 土曜日。 待ち合わせしていた駅前で光の声が聞こえた。 「ううん。全然」 私はそう答えてにこっと笑顔を向ける。 私は光の両親に会うべく朝早くから人混みに呑まれていた。 最初はお父さんだけという約束だったがそれを知ったお母さんも都合をつけてくれたらしい。 「こっちがうちの父でこっちがうちの母」 返事をして手を振り返した私に光の両親を紹介される。 「初めまして。光さんとお付き合いさせてもらってます。神戸間 颯那です」 「まったくいきなりでごめんなさいねぇ。お父さんったらいつも急だもんだから」 少し緊張しながら私が挨拶するとすぐに光のお母さんに話しかけられる。 「いえ!全然!」 「本当に?それにしてもこんなに可愛らしいお嬢さんだったなんて。こういうの初めてだからすごい嬉しいわぁ」 「いえ!そんな...!こちらこそ素敵なお母様とお父様にお会いできて嬉しいです」
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