第11章 先輩と家族

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「お母様だなんて!そんなに畏まらなくてもいいのよぉ!ねぇお父さん」 「ああ」 光のお父さんが少し無愛想に答える。 「?」 「ごめんなさいねぇ。お父さんったら息子が予想以上に可愛い彼女連れて来たから緊張してるのよ」 「余計な事言うんじゃない」 お母さんのからかいにお父さんは少し恥ずかしそうに軽く小突く。 その照れた顔が光とそっくりで何だか可愛いらしい。 そんなやり取りに思わずクスクスと笑いが零れる。 「颯那。ごめんな。こんな両親で」 少し照れくさそうに光がはにかむ。 「素敵な両親だね」 私はそう耳打ちして答える。 「ありがとう」 そう言った光は凄く幸せそうだった。 「ちょっと早いけど昼食でも食べに行きましょうか?颯那ちゃん」 光のお母さんがそう言って歩き出す。 私達は頷くと皆で昼食を食べに行く事にした。 仲のいい家族に私の笑顔は引きつっていないだろうか? そんな事を想いながら。
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