第11章 先輩と家族

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「うん」 ものすごく緊張してるのが全身で伝わってくる。 「俺と結婚して下さい」 ドキッ 「...っ」 「もちろん、ゆっくり考えて答えてくれればいいから。それだけ伝えたくて...」 光は真っ直ぐに私を見つめて言葉を発していく。 夏風が今までに無いほど冷たく通り抜けて行った感覚がした。 「そっか...」 どうしよう。 なんか想像以上に重たい。 結婚という言葉の重みに押しつぶされてしまいそうだった。 光はそれ以上何も言わなかった。 私もそう返事をするのがやっとでその後の家までの道のりをただ訳も分からず溢れ出しそうになる涙を堪えて歩いた。 時刻は既に日付けを超えていた。 ー佳奈が待っている気がした。
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