第11章 先輩と家族

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次の日、私はいつも通りの日曜日の朝を迎えた。 夜遅かったせいもあり起きたらお昼だったので正確には朝を迎えていない事にはなるが。 何だか気が重くて、布団の中から出られなかったというのが本音だ。 そしていつまでもこうしていても仕方が無いのは分かっているので起きるしかなかった。 佳奈にちゃんと話さないと。 私達は前に進まないといけなくて。 その為に手放さなくてはいけない。 それは光の為にも。佳奈の為にも。 大丈夫。大丈夫。 私は自身の胸を軽く叩いて深呼吸をする。 よし。 「きゃっ!先輩.../////」 覚悟を決めて部屋の扉を開けるとちょうど佳奈も開けようとした所だったようで驚きの声を漏らした。 私も勿論一緒に驚いて肩を震わせる。 「びっくりした...っ」 「すみません。もうお昼だったので先輩を起こした方がいいかと思いまして...」 佳奈がそう畏まって謝罪する。
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