第11章 先輩と家族

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「いや、こっちこそごめん」 「いえ」 何だかよそよそしい会話だ。 鈍い私が思うのだからきっと佳奈はそれ以上に敏感に感じ取っていると思う。 「...」 「...」 気まずい.. 。 元々私は口数が少ない方だし、普段は佳奈がウザイくらいに話をするものだからこういった空気は慣れていない。 「もうお昼ですけど、ご飯食べますか?」 助け船のような佳奈の言葉に頷いて私達はご飯を食べることにした。 この流れで会話が弾む訳もなくお互い無言で食事する。 相変わらず美味しい。私好みの味だった。 佳奈はさっきご飯が出来たから起こしに来たと言っていた。 でも、料理を温め直す佳奈を見てそうじゃなかったんだと気が付いた。 きっと口実が欲しかっただけだろう。 ご飯が冷めるほど私の部屋の前で躊躇っていた佳奈が目に浮かぶ。 やっぱり私まで躊躇っている場合では無い。
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