第12章 気に入らない

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〈佳奈サイド〉 「んー」 気が付くと私はベットの上で目を覚ました。 夢オチかとも思ったが、目が腫れている。 どうやら泣き疲れた私は先輩に抱きついたまま眠ってしまったようだ。 先輩がここまで運んで来てくれたのかと少し申し訳なくなる。 しかし、私が離した瞬間に先輩がいなくなってしまうんじゃないかと不安が襲い私は飛び起きて先輩を探す。 「先輩...?」 寝室を出てみても人の気配を感じない。 リビングにも先輩の部屋にも誰もいなかった。 嫌だ...。先輩。 「ただいまー」 「先輩っ」 玄関口で少し間延びした声が聞こえてその声に飛びつく。 「ちょっどうしたの」 「先輩っ」 少し驚きながらも穏やかな声が聞こえて安心する。 「ちょっと買い物に行ってただけだって」 溜息をつきながら嬉しそうな先輩がそんな私を宥める。 と確かに先輩の左手にはスーパーの買い物袋が見える。
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