第12章 気に入らない

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先輩が本当は誰が好きであれ、家族を求めた先輩があの男と結婚して幸せになれないだなんて本当は思わない。 それどころか少なくともこのまま私と居るよりは先輩は幸せになれると分かっていて引き止めた。 自分で自分が止められない。 先輩の優しさに付け込んだ私を先輩は受け入れてくれた。 思う事は沢山ある。 それでも選んだのは先輩自身で。 だから今、持つべき感情はこれで良いのだと思う。 「先輩っありがとうございます」 私はそんな先輩に微笑んだ。 そして、すっかり油断している先輩の頬に軽くキスを落とす。 「なっ///佳奈!!」 驚いた先輩が声を上げる。 「嬉しくてつい♪」 「風邪うつるでしょっ!!」 そう言って対抗する先輩が愛おしくてたまらない。 「だからほっぺで我慢したんじゃないですかぁ」
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