第12章 気に入らない

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「へへっ?今日の先輩何だかいつにも増して優しいですね」 さっきとは打って変わって上機嫌になった佳奈がそう言って私の腕に絡みつく。 「そんな事無いと思うけど?」 払い除けるとせっかく良くなった機嫌がまた悪くなりそうなのでそのまま返事をする。 「まぁこれで昨日のキスの件は許しておいてあげます♪」 佳奈はそう言って微笑む。 「...!?///」 そんな佳奈の言葉に驚きが隠せない。 「先輩が寝込みを襲う趣味があったなんて。まだまだ知らない事があったんですね♪」 「あんた...起きてたんじゃない!!///」 有り得ない。 なんて事をしてしまったのか。 恥ずかしすぎる。 大体狸寝入りで騙していたなんて私の昨日の努力は何だったのか。 「え?何のことですか?先輩が起こしてくれなかったんでずーと寝てましたけど?」 「はぁ?」 まだとぼける気なのか。 それとも本当に冗談で言ってみただけだったのか見分けがつかない。
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