第13章 終わりと始まり

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「送ってこうか?」 しばらく抱きしめあった後帰ろうとする光を玄関まで見送ってそう尋ねる。 「いや、大丈夫」 「そう」 「.. 」 「...」 「颯那っ!今までありがとうな」 玄関口で振り返り光はそう言って笑う。 「うん。ありがとう」 「じゃあ」 「バイバイ」 遠ざかって行く背中に私がそう言って手を振ると光は笑顔で手を大きく振り返した。 私達はお互いが見えなくなるまでずっと手を振っていた。 やっぱり光は笑顔が一番だ。 今思うと光は何処かお兄ちゃんに似てた。 私が光の笑顔に惹かれたのはそのせいだったのかもしれない。 「ふぅ」 数時間たって再び1人になった部屋で伸びをした。 別れてみると案外すっきりとしている自分がいた。 ほんと最低...。 「最低な別れ方ですね」 「佳奈!?」 1人だと思っていた部屋の隅で挑発的な佳奈の声が聞こえた。
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