第14章 アップルパイと

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「アップルパイはさすがにないかもだけど...りんご飴でも買いに行く?」 「...はい」 佳奈が小さく頷いたのを確認して辺りを見渡すと列の向かい側にりんご飴の看板が見えた。 人混みの中をかき分けるには厳しい位置である。 うーんと悩んで時計を確認すると時刻は6時20分を指していた。 あと、10分程で花火が始まってしまう。 このまま流れに乗っていたらりんご飴は手に入らないかもしれない。 「先輩!あそこに看板が見えます!」 佳奈も見つけたようで看板を指をさす。 それは分かってるんだけど...。 「先輩!早く行きましょう!」 そう言った佳奈は呆気に取られている私の手を引くとそのまま人混みへと入っていく。 佳奈は小さな体でスルスルと人の間を通り抜けて行く。 基本意識と異なることが起きて少し驚いた。 こういうのって背が低い方が人混みにのまれるんだと思っていた。
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