第14章 アップルパイと

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何でこの人はこんなに...私の心を掴んで離さないのか。 「っ!?////佳奈」 勢いよく抱きついてキスを落とすと先輩は慌てたように声を上げた。 周りに人がいたのか。 確認する余裕なんか無かったけれど、先輩は拒絶しなかった。 それに甘えて更に強く抱きつく。 先輩は「相変わらず唐突なんだから...」と言いながら私の事を抱きしめ返してくれた。 普段の先輩なら有り得ないような反応に心が満たされていく。 「私...今死んでもいいです」 そうして思いの丈を伝える。 「私の腕の中で死なれたら気分悪いわよ」 先輩は溜息をつきながらそう返事をした。 そこはいつもの先輩だった。 「そうですね。でも、それくらい私は幸せなんですよ」 「...そう」 先輩は私の言葉に少しだけ微笑んだ気がした。 「先輩、私と心中しても良いっていつか思えたら言って下さいね」 「...」 「私はそれで充分です」
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