第14章 アップルパイと

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〔颯那サイド〕 「世界中の誰よりも先輩を愛してます。私と付き合ってください」 「...」 「先輩...」 潤んだ瞳を向けた佳奈が上目遣いで私を見上げる。 「.......は?」 そんな佳奈に私は正常な反応をした。 何を言っているのかと訝しい視線を向ける。 「だから!好きだから彼女になって下さいって告白してるんですよ!!」 痺れを切らした佳奈がいつもの口調に戻って叫び出す。 「はぁ...」 若干涙目になっている佳奈に私は曖昧に返事を返す。 それにしても唐突だ。 いまいち状況が飲み込めない。 佳奈の気持ちは知っている。 だからそれが佳奈の望む形だという事も分かっている。 が、今までそれを言い出さなかったのは形だけの関係に意味を見いだせなかったからだと思っていた。 しかし、どうやら違ったらしい。 「全く...やっと先輩がフリーになったっていうのに!そんなチャンスを逃す訳にいかないじゃないですか!!」
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