第14章 アップルパイと

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(「先輩が好きだからですよ?」) 佳奈の言葉に再開したあの日の事を思い出した。 数ヶ月しか経っていないはずなのにひどく昔の事のように思えた。 馬鹿じゃないの...か。 それがあの時の答えだった。 じゃあ...今は? 佳奈に対する気持ちが何なのか私の中の答えは変わりつつあった。 佳奈によって私の人生は既に大きく変わっていっている。 佳奈が居なければ私は光とあのまま結婚する筈だった。 勿論それはきっかけに過ぎないし、結婚生活が上手くいっていたとも限らない。 それでも松浦佳奈という存在がたった数ヶ月で私の人生に大きな意味を持ったのだ。 そう考えると何だかすごい事のように思えてくる。 少なくともあの頃より佳奈の事が好きだ。 それは後輩として、友達としてでは無い気がする。 佳奈と同じ好きを感じてみたいとも思う。 好き...。 言葉にすると何だか照れくさい。 でも、伝えてみたら何か変わるだろうか?
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