第15章 彼女と彼女

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「もしかして夢オチ...とか」 そうとしか考えられない。 だって先輩が私の事を好きだなんて言う筈がない。 冷静に考えれば簡単に分かることだった。 「駄目だなぁ...私」 昨日は幸せ過ぎて幸せな夢を見たのだ。 しっかり現実と向かい合わなければ。 理想と妄想ばかり抱いていてはいけない。 「よしっ!」 頬を軽く叩いて活を入れ直すと着替えをしてリビングへと向かう。 すると普段この時間に誰もいない筈のリビングから人の気配がする。 電気もついている。 「先輩?」 「佳奈おはよう」 不思議に思って扉を開けると普段は寝ている先輩が朝食の準備をしていた。 「どうしたんですか?今日は仕事早いんですか?」 先輩は月に数回早番の時があってその時は普段よりも1時間早く家を出る。 早番の時は早く起きて朝の準備を始めるのだが今日はその日だっただろうか? 「うん。ちょっとね」 先輩はそう尋ねた私にクスッと笑った。
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