第15章 彼女と彼女

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〔佳奈サイド〕 先輩と付き合い始めて2週間が経った。 心がふわふわしてこれ以上無いくらいに浮かれている。 気を抜くと好きだと叫び出してしまいそうだ。 嬉しくて最高に幸せだ。 好きだと言われてどんどん欲張りになっていくのを実感していた。 手に入れば不安なんて無くなると思っていたのに気持ちが大きくなる度失うのが怖くて仕方が無い。 本当は私だけを見て私だけの事を思って生きてほしい。 誰にも触れられないようにして先輩を私だけの物にして大切に閉じ込めておきたい。 いつだって先輩のその華奢な手に私の全部は握られていて先輩が離そうとしても私にはそれが出来ないでいる。 「先輩、愛してます。ずっーと」 だからそんな言葉で先輩を縛り付けておきたくなる。 そんな私を先輩は何も答えずに抱きしめた。 でも、不安だから幸せな事も確かにあって。 温もりと華奢な身体に甘い香り、2人の中に鼓動が生まれてまた先輩を好きになる。 今日も明日もずっと先輩の隣にいられますように。 離そうだなんて思われないように強く抱きしめ返した。
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