第15章 彼女と彼女

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次の日。 カシャッ シャッター音が聞こえて体を動かす。 「佳奈ちゃんいいね?」 そんな声とレンズを向けられてポーズを変える。 用意されていた白のレースの付いたビキニに着替えて笑顔を振りまいていた。 カシャッ 「ちょっとセクシーな感じに」 そう言われ、膝に軽く手を当てて上目遣いになるようにレンズを見上げる。 カシャッ 「いいね、いいね!最高?」 首を傾げてみる。 すると、お褒めの言葉と一緒に最後のシャッターが切られた。 撮影が終わると「お疲れ様」と声をかけられた。 よく通る柔らかい声だった。羽山さん。30代半ばの女性カメラマンである。 美人で背が高くスタイルがいいため、実年齢よりもだいぶ若く見える。 数年前までグラビアの仕事をやっていたらしくグラビア界ではかなりの有名人らしい。 「はい。お疲れ様でした」 微笑んで返事をする。
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