第2章 初デート

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「こんにちは。先輩の大学の後輩で松浦 佳奈って言います。こっちは友人の夏目 由香(なつめ ゆか)です。」 すぐに何処か行って欲しいのに佳奈はあろう事か私達の隣に腰掛けると光に向かって自己紹介を始めた。 「そうなんだ。俺は颯那の彼氏で橘 光です。颯那にこんな可愛い後輩がいたなんて知らなかったよ」 「可愛いだなんてっ!私こそ先輩にこんなかっこいい彼氏がいたなんて知りませんでしたよぉ」 光の社交辞令に分かりやすく頬を染めると心にも思っていない事を口にする。 「ありがとうっ」 ハハッと笑うと「愛想のいい後輩だね」と軽く耳打ちされた。 どうやら好印象を持ったようだ。 「でも、先輩ぃ!私をさしおいてデートだなんて酷いですよぉ」 佳奈は私のワンピースの袖を軽く引っ張ると拗ねたような声をだした。 昨日の事もう忘れちゃったんですか?などと続いても可笑しくないような口調である。
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