第16章 甘い思い出

4/9
前へ
/251ページ
次へ
〔佳奈サイド〕 じーっ 隣でアイスクリームにかぶりつく先輩を眺める。 「先輩」 「何?」 先輩はそんな私を訝しそうに見つめて返事をする。 そんな表情も可愛いななんて思いながら悩む。 最近は涼しい日も増えてきたが、今日は随分と暑い。 そして、今日は遊園地デートに来ていた。 のだけれど、先輩の様子がおかしい。 おかしいと言うほどでも無いかもしれないが、普段とは違う感じがする。 何がと聞かれれば分からないのだが...。 「私が先輩の事を分からないなんて...っ!先輩マスターの称号が剥奪されちゃいますっ!!」 結局、お手上げ状態になった私はそう言って先輩に詰め寄る。 「そんな称号あげたつもり無いんだけど…」 「うぅ...っ先輩本当はデートするの嫌なんじゃないですか?」 先輩は人混みが嫌いみたいだったし、私がデート場所にテーマパークを選んだのが良くなかったのかもしれない。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加