第2章 初デート

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「そんな事いって~」 ひきつる顔を何とか緩めて引き離そうとするが見た目以上の力で離れない。 (「あんた、その手どけなさいよ」 「え?何ですか?」 「分かるでしょ!」 「さぁ...?先輩の言う通り私馬鹿なもんで」) 意思の疎通は出来ているものの何を言っても平行線だ。 「すごい仲いいね」 光はそんな私達を不自然に思うことなく微笑ましそうに眺めている。 「はいっ!私の先輩がお世話になってます♪」 ただの仲のいい後輩が言う台詞ではない。 まるで光よりも佳奈の方が私に近しい存在であるかのような言い方だ。 その笑みの中に黒いものが見えた気がした。 「いえいえ、こちらこそ」 そんな佳奈には気づきもしない光は無邪気に微笑む。 光が大学時代の私の話を始めると2人で話が盛り上がっている。 はぁ 光が鈍感で良かったと思うと共に佳奈が変なことを言い出さないかとひやひやする。 溜め息をついて視線を一旦そらすと佳奈の友人だという夏目 由香と目が合った。
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