第3章 お泊まり会

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「別に私に合わせなくてもいいのに」 「私がしたいんでいいんです。先輩、卵焼き。もう一口貰えますか?」 カレーライスを食べてみたり、甘い卵焼きを作ったり。 本当は。 私の為なんかじゃなくて佳奈自身が私の好みを理解したかっただけなんじゃないか? 「これが先輩の味...」 そう言うと佳奈は甘い卵焼きを難しそうにほおばった。 ーもっと近くに。 結局、佳奈が私にしていたことは全部、佳奈自身のためのものだった。 それが分かると何だかほっとした。 まぁ下手に私の為とか言われるよりいいか。 「うそつき」 私は佳奈のそんな姿を見て微笑むとそう呟いた。 佳奈と一緒に卵焼きをほおばるとこれが幸せの味なのかもしれないと感じている自分がいた。
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