第4章 アップル味の

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それから佳奈は毎日のように私の家に居座るようになった。 私が帰ってくると家事を全て終わらせた佳奈が待っている。 それから佳奈の作った夕食を一緒に食べて朝起きると佳奈が朝食を作っていてくれる。 この半同棲のような状態が続き1ヶ月近くたった。 日が経つにつれて佳奈の私物が家に置かれるようになった。 「楽すぎる!素晴らしい..!」 最初は追い払っていたが次第にそのやり取りが面倒になり、今ではむしろ快適に過ごしている。 佳奈の料理は美味しいし、掃除や洗濯も頼まなくても全部やってくれている。 仕事から帰ってきて何もなくていいという快適さ。 それにやはり家に帰ってきて誰かが待っているというのはいいものだと思う。 こういう生活も悪くないかもしれない。 ただ一つだけ。 「先輩。私のお願い聞いてくれますか?」 このお願いさえなければの話だけど。
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