第1章 先輩キスして下さい。

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「ちょっと、小雪ぃ」 ふらふらの小雪を家まで送り届けようとするが千鳥足の小雪はついに人目をはばからず座り込んでしまっている。 「うぅ~ん」 まともな返事も返せないようだ。 まずいなぁ 小雪の家まではまだちょっとあるし、歩けない小雪を連れて帰るのは難しい。 私の家までは更に距離がある。 幸い明日は1日休みだし小雪も時間はあると言っていたが...でもこの辺で泊まれるところなんて。 辺りを見渡すと怪しいネオンの光るラブホテルが目にはいり溜息をもらす。 「先輩??」 もうタクシーを呼ぶしかないかとお財布事情を気にしているとそんな声が聞こえた。 女の子らしいソプラノだった。 「佳奈?」 振り返るとそこには大学時代に同じサークルの後輩だった松浦 佳奈がいた。 日焼けを知らないような真っ白な肌、桜色の唇、くりっと大きなぱっちり二重の瞳。 茶髪のショートカットは女の子らしく内巻きに巻かれている。 背は相変わらず低めで華奢な体を黒を基調とした露出の多めなデザインの洋服に身を包んでいる。
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