第4章 アップル味の

7/9

39人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
「はぁ...目閉じて」 「はーい」 目を閉じてキスを待つ佳奈の顔を見つめる。 長いまつげ、透き通るような肌、形のいい小さな唇、綺麗な茶髪。 どこからどう見ても美少女。 きっと男だったらイチコロだろう。 学生時代も佳奈は男にモテていた。 あの頃から私のことを好きだったのだろうか? でも私も佳奈も女で私達が結ばれることはない。 現に今の私がそんな気持ちになることはなかった。 「先輩?」 いつまで経っても動こうとしない私を見かねて佳奈が目を開く。 「あ、ごめん」 「了承したんですから今更躊躇わないで下さいよぉ」 見当違いのことを指摘される。 「わっ分かってるわよ」 もぉっといいながら再び目を閉じた佳奈の唇に私のそれを合わせた。 甘い...。 やっぱり、りんごの味がする。 唇の間から舌を入れると角度を変えてキスをした。 「はっ..ぁ...せんぱっんぁ」 佳奈の甘ったるい声が聞こえ相手が女だということを実感させられる。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加