第6章 誕生日

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「本当に何やってんのよ」 ー早く戻らないと ふらつく足取りで再び改札に向おうとした足が止まった。 「か...な?」 そこにいたのは夏目由香と腕を組みながら満面の笑みを浮かべる佳奈の姿だった。 寄り添う2人はそこだけ映画のワンシーンのように見える。 ただの友達のじゃれ合いじゃないことはすぐに分かった。 「...馬鹿すぎ」 どうして気が付かなかったのだろう。 佳奈は自分でレズビアンだと言っていた。 望みのない私に構うより美人で自分を大切にしてくれる人の元に居た方が良いに決まってる。 これであの子が私に構うことは無くなって今までの平穏な生活が戻ってくるのに。 誕生日にあの子を追い払ったのは私の方で、それを責める権利なんてどこにも無いのに。 何より真っ白な露出度の高いブランドもののワンピースに身を包んだ佳奈は幸せそうだった。
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