第6章 誕生日

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「かなっ...好きって言って...?」 逃げることだってできるのに私の上に跨ったまま動こうとしない佳奈に言葉を求める。 佳奈は何かに気がついたように一瞬だけ傷ついた顔をして私のつけたキスマークを見つめると切なそうに微笑んだ。 「やっぱり先輩は最低です」 「うん」 「でも、先輩が好きです。何よりも。」 「うん」 はっきりとまっすぐに私を見つめて答えた佳奈をまっすぐに受け止めた。 「先輩」 佳奈は私を呼ぶと大切に抱きしめた。 けして強くも大きくもないけれども私を包んでくれる体温が暖かくて安心した。 きっと今はこれだけでいい。 「今はこれで充分です」 そんな言葉に私は佳奈の背中へと腕をまわすと私達はそのままゆっくりと目を閉じた。 ー佳奈の愛は私の全てをまるごと赦してくれていた。
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